
この記事を書いた人
【ペンネーム】ポイズンラボラトリー
【プロフィール】毒物や化学物質に関する文献の翻訳家。英語の文章を日本語に翻訳したり、毒物に関するリサーチをしてレポートを作成している。植物毒、動物毒、毒性化学物質などの研究をしながら、たまにセミナーにも参加。
あなたはアナフィラキシーショックを知っていますか?
スズメバチの毒で有名ですが、実はアナフィラキシーショックは私たちの日常のいたるところに潜んでいて、いつでもどこでも起こりうるのです。
そして最悪の場合、人が死ぬことになります。
その理由をこれから解説します。
アナフィラキシーショック~どこでも死ぬ可能性がある
まず、アナフィラキシーショックとはなにか?
人が死ぬ理由を説明いたしましょう。
人体にある特定物質が入ると、体が極端な反応をし、血圧低下、じんましん、鼻水、呼吸困難などの症状を起こし、最悪は心臓が停止して死ぬのです。
この症状をアナフィラキシーショックといいます。
特定物質は蜂毒以外に、日常の食生活にも潜んでいます。
アナフィラキシーショックの原因・理由
スズメバチの毒が有名なのですが、実際は私たちの身近にもその材料があります。
例えば、ニワトリの卵、小麦、牛乳、甲殻類、果物類、そば、魚類、落花生、魚卵、大豆、なども原因に含まれます。
食物の場合は加熱すれば問題ないという話もありますが、実際には加熱程度ではアレルギー原因が壊れないタイプの食べ物もありますので、安心はできません。
アナフィラキーショックでは特定物質が最初に体内に入ったときは、大きな問題がない場合が多く、2回目に入ったときに激しい反応が出やすいのが特徴です。
もしあなたがアナフィラキシーを持っていると自覚しているならば、原因物質は避けることが必要です。
理由を知って適切な予防ができていれば死ぬまではありません。
しかし、その物質が思わぬ形で含まれていることがあるので注意が必要です。
例えば、そばの枕、化粧品や調味料などです。
アナフィラキシーショックの症状
アナフィラキシーの特定物質によって様々な症状が出ます。
それぞれは食物アレルギーやその他のアレルギー症状に似ていますが、アナフィラキシーではこれらが複合的に急激に進行し、短時間で大きなダメージを与えるのです。
そのダメージによっては血圧は急低下し、人の心臓は停止します。
これが死ぬ理由なのです。
そのため、アナフィラキシー症状のときは、すぐに医療機関を受診するなど、適切な処置が必要になることも多いです。
具体的には皮膚症状で言えば、「赤くなる」「じんましん」「異常なかゆみ」、消化器症状ならば「嘔吐」「下痢」「腹痛」、粘膜症状ならば「舌や口の違和感」「腫れ」です。
また、呼吸器症状なら「くしゃみや咳」「呼吸困難」、全身症状なら「血圧低下」「チアノーゼ(酸素欠乏)」「けいれんや意識不明」などです。
酷い場合には救急車を呼ぶか、至急医療機関を受診しましょう。
こられの症状の特徴として、一時的に収まったようにみえてもまた急激に悪化し、状態が非常に悪くなることもあります。
そのため、一時的に収まったとしても医療機関を受診することをお勧めいたします。
アナフィラキシーのときの対処法
食物が原因でのアナフィラキシー症状の場合
安静にさせて食べ物を吐き出させます。
同時に救急車を手配します。
アレルギー症状は大人や子供、人によって個体差の違いがあります。
予防としては事前に病院に相談する、アレルギーの学会マニュアルを読むなどした方が安全と言えます。
こうすることで死ぬことへのリスクを回避できます。
蜂毒が原因でのアナフィラキシー症状の場合
蜂に刺されると、針から蜂毒が体内に注入され、患部が腫れます。
濡れタオルなどで冷却すると通常は約5日で腫れがひきます。
仮にひどい状態の時は医師に相談し、ステロイド系薬品で治療しましょう。
しかし、腫れだけではなくショック症状などを併発している場合は、すぐに救急車を呼んでください。
蜂毒を注入された人が慌てて動くと、その毒物の回りが早くなり、症状が増大するのがその理由です。
あなたがもし刺されたのであれば、スマホを使うか、人に助けを呼んでください。
決して走り回らないように気を付けましょう。
たまに口で毒を吸い出す人もいますが、口内、特に虫歯や傷からも毒が回りますので危険です。
できれば、吸引機や類似したものを使って吸い出しましょう。
なお、アナフィラキシーショックは血圧を上げる注射などでも治療します。
アナフィラキシー症状への特効薬「エピペン」
アナフィラキシー症状への唯一有効な携帯型特効薬が「エピペン」です。
大人用と子供用があり、「アナフィラキシー症状への応急処置用のセルフ注射キットです。
携帯に便利なペンシル型で先端部分を太ももに圧着させると、バネで注射針がでてきて薬剤を筋肉注射する仕組みになっています。
0.15mg製剤と0.3mg製剤の2種類があり体重によって使い分けます。
中にはアドレナリン薬剤が入っており、心臓の機能を高めて血圧を上昇させ、ショック状態を治療します。呼吸困難などの症状も回復させます。
ショック状態緩和のための応急処置薬なので小康状態のあとは直ちに医療機関への受診をお勧めします。
またアドレナリンは光に弱いため、専用のケースで暗く常温の保管場所が必要になります。
まとめ
アナフィラキシーショックでなぜ、人は死ぬのか?
それは蜂毒、食物などの特定物質が極端なアレルギー反応を複合的に巻き起こし、血圧を低下させて心臓を弱らせ、停止させるのが理由です。
アレルギー原因を避ける予防をし、さらにもしものときは対処法を予習しておきましょう。
アナフィラキシーショックで死ぬメカニズムと理由がわかれば、予防や対処法も効果的に行うことができ、不安は減ります。
あなたの生活がより良いものになるよう応援しています。